
ピンク色の看板「なんでも酒やカクヤス」でチェーン展開するカクヤスグループが、地域特化型の物流に本格参入する。強みの配送網を活かしつつ、外部提携やM&Aも積極化、7月には社名変更し「第二の創業」と意気込む背景には、経営の大転換を図る切実な事情があった。(カーゴニュース編集部)
酒のカクヤスが“第二の創業”
ラストワンマイル配送に本格参入
カクヤスグループ(本社・東京都北区、前垣内洋行社長)は5月28日、メディア向け説明会を開催し、今後の事業再編計画についてその詳細を説明した。
物流を軸に「他人物配送」を含む一連のサービスの外部提供や、取扱商材の拡大などによる「販売プラットフォーム企業」への成長を目指していく方針を示した。佐藤順一会長は「我々の強みである配送網を活かし、プラットフォーム事業の拡大を目指す。これが第二の創業期と捉えて頑張っていきたい」と述べた。
今回の事業再編の背景について、佐藤会長は「酒類市場の縮小に加え、コロナ禍に伴う宴会需要低下や酒離れの影響が強くなっている。このまま酒類の一本足打法だけでは戦えない」と説明。そのうえで、今後は酒類販売に留まらず食材や調味料などへ商材を拡大するとともに、外部企業に受注・配達・請求決済までの一連のサービスを提供していくとした。
続いて前垣内社長が、カクヤスグループとして今回初めて策定した中期経営計画(25~27年度)について説明。事業再編の一環となる取扱商材のカテゴリ拡大の施策として、販売会社のM&Aや外部アライアンス先の商品提供を進めていく。