【知らないと大損】家を借りる前に絶対知っておくべき「お金の話」
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明。そんな棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、特別記事を公開します。

知らないと大損! 家を借りるときの基礎知識
本日は「賃貸で絶対知っておくべきこと」というテーマでお話しします。読者からこんなお便りをいただきました。
「会社の社宅扱いのため自分で賃貸物件を探し、内見まではするものの、最終的な契約には社内の稟議が必要でした。不動産会社にもその流れを伝えていたのですが、手付金が必要と言われたため5万円を支払い、キャンセル時には返金するとの約束をもらいました。しかし社内での稟議が否決され物件をキャンセルすることに。そこで不動産会社に連絡すると『手付金は返せない』。さらに会社からも個人で勝手に支払ったものとされ、結局5万円は戻らず泣き寝入りすることになりました」
これは宅建試験で出る知識ですね。さて、問題です。
「建物の貸借の媒介に際して、貸借の申し込みをした者がその撤回を申し出たので、宅建業者Aはかかった諸費用は差し引いて預り金を返還した。これは宅建業法に違反する」
はい、「〇」か「×」かでお答えください。過去、同じような問題が出ています。答えは「〇」です。
キャンセルの場合、預り金は全額返還!
キャンセルにおいて、今回のケースみたいに、既に受領した預り金を返還することを拒むことは宅建業法違反です。1円ももらえません。選択肢のように諸費用を差し引いて返還したら違法です。諸費用も含めて全額返還しなきゃダメです。
つまり、賃貸では手付金は取れません。取るのは預り金です。多分、今までアパートを借りたことがある人は、手付金は取れないのは知っているけど「お金を預けた記憶がある」「払った記憶がある」という人もいると思います。
申込証拠金とか、いろんな名目をつけられて1万円とか2万円とか家賃2か月分とか先に払った記憶がある人もいると思います。でも、それは全部預り金です。名目は色々でも、実態としては預り金です。
預り金とは何なのでしょうか。簡単に言うとお金を預かるだけです。だからキャンセルになったら、そのまま全額返します。契約になれば契約金に充当します。例えば1ヵ月分を預り金として預かっているなら、その分は敷金や礼金、前家賃などに充当します。
よくあるのは、お客様から「手付金を払います」って言ってくるケース。でも実務では「賃貸では手付金はありませんので、預り金という形でお預かりさせていただきます」と、私は必ず言い直していました。
預り金は契約が成立しなければ必ず返還しなければなりません。預り金の金額は契約や業者によって違いますが、そもそもキャンセルになったら返します。
「預り金」は何のためにあるの?
じゃあ何でそんなお金を預けるのと思うかもしれません。それは申込者の本気度を試すためです。「本当に契約する気があるの?」という意思を確認するのです。
実際に案内して、預り金の話をすると渋るお客様がいます。そこまで本気じゃないということ。気に入ってない、引っ越しを決めかねている、親に言ってないなど理由は色々。少額でも躊躇するなら本気度が低い。
逆に1ヵ月分(6万~10万円)でも迷わず払う方は本気度が高い。私は営業時代、預り金はしっかり取っていました。キャンセル防止にもなりますし、お客様の意思も固まりやすくなります。
また返金の際に来店してもらうことで、もう一度接触できます。理由を聞いて違う物件を紹介して逆転したことも何度もあります。営業としては、目先の申し込みではなく、契約を見据えた行動が大切です。
(本原稿は『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の著者による寄稿です)